水樹奈々バースデーライブ「NANA MIZUKI LIVEDOM 2006 -BIRTH-」

参考:各ニュースサイト
大雪ものともせず、水樹奈々バースデーライブにファン8500人 (サンケイスポーツ)
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200601/gt2006012209.html

水樹奈々「ドキドキ」武道館ライブ
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2006/01/22/06.html

水樹奈々 武道館で涙の誕生日ライブ
http://www.daily.co.jp/gossip/2006/01/22/202214.shtml

前回のライブ(2005年8月28日のぶろぐ参照)でその完成度の高さに感動し、ぜひ参加したい・・・というより、前回のライブのときにチケットを手配した友人と代金を精算した際、細かいお金がなくて万札を渡して「今度会ったときに精算しよう」ということにしていた。ところが、彼は私の今日のスケジュールが空いていることを確認したら、頼んでもいないのに「(今日のライブの)チケットを押さえといた」という連絡。実に気が利くなぁと思った(w

京王線も4分程度の遅れだし、乗り継いだ都営新宿線の列車はほぼ定時に来たのでいつもと変わらない所要時間。
駅で友人と合流してから九段坂を登り日本武道館へ。
現地に到着してからチケットを渡される。彼の友人が水樹のFC会員らしく、そこで手配したらしいのだが、チケットを見てびっくり。

「アリーナA列」

・・・おいおい、なんて良席なんだよ。というか私にはもったいないくらい。
ちなみに「A列」は「Aブロック」のことだが、それでも前から5列目で、それこそ彼女のマジヲタに申し訳ないくらい。今日も双眼鏡を忘れたのだが(汗)、どうやら必要なかったらしい(笑

アリーナから後ろを振り返ると、2階スタンドまでおおむね満員といったところ。とはいえ、武道館前にはヒラリー・ダフさんが「券アルヨ」と中国人っぽいしゃべり方をしていたが(激謎

ゴスロリ風デザインのセット

セットは中世ヨーロッパの城をイメージした感じで、ゴスロリ風なデザインのコンサートロゴをあしらった旗が、左右各2枚ずつ掲げられたりと、しっかりとしたコンセプト作りがされていることを感じた。
ゴスロリ」と言って分からなければ、あややの「THE 美学」のCDジャケットに書かれたロゴみたいなものと思っていただければ(ぉ

ロゴの参考:NANA MIZUKI LIVEDOM 2006 -Birth-レポート
http://innocent-dreamer.net/nana/report/14_livedom/

そして、その前にはバンドセットが入る形。構造自体はむしろシンプルだが、デザインは整っているように思った。

7の刻に公演開始

19時7分頃、そのセットなどのイメージの元になったであろう城の映像が流れて公演開始。「午後77分」に開演したのも彼女を意識したのかな?

それが終わると・・・

ヴォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン

という爆音とともに特効の花火がステージ上に炸裂。入場したときに場内がけぶっていたから、特効があることは予測できたが、まさかこのタイミングとは。
しかも、2階席でもそれなりの迫力なのが今日はアリーナのしかも前側。音と光と煙でかなり面食らった。

1曲目のとき、スタンドで旗を振ってる奴がいて「迷惑なやっちゃな・・・」と思ったらそれは勘違いで、スタンドの手前にあるサブステージでバックダンサーが振っていた。フラッグはあの企画会社において最近流行してるらしい(企画会社については後述)。

MCで外の雪について触れた後「26年前の今日(彼女が生まれた日)も、(彼女の出身地である)愛媛県にしては珍しく雪が降っていた」とコメント。こんな一言で場内はさらに盛り上がる。

場内は「水樹」からか「青」のペンライトが多かったが黄色も目立っていたし、他の色も多い。
そんな中、ペンライトを持っていなかった私は腕を振ることに集中。とはいえ、ハロプロ系と違って振りが難しくないので、彼女のライブ参加2回目の私でも十分ついていけた。

よそのライブを見て感じる、ハロプロコンでの風習の特殊性

2006年1月6日のぶろぐで「振りは出演者と同方向と逆方向のどちらが正しいのか」ということを書いたが、今回のライブを見て「やはり同方向に振るのが正しいんだ」と確信した。というか、そのほうが自然だよなぁ。

振りの方向に限らず、ハロプロコンの風習がすべて一般的・普遍的だったり合理的というわけではない。むしろ特殊な部分が多いように思う。
前回も指摘したが、水樹の公演を含めて一般的なライブ・コンサートにおいて、コールを入れる場合は歌詞と歌詞の間や特定の箇所に入れるのが一般的であるし、元々出演者の歌を聴きに来ているのだから、そのほうが合理的といえる。
他にも、アップテンポな曲において回る、いわゆる「マワリスト」が何人かいたが、やはり場にそぐわないように感じた。そう言いつつ私も前回やってしまっているので大きなことは言えないのだが。

もちろん、出演者やイベントの内容によってライブ・コンサートの風習が違うのは、ある部分では特色ともいえる。サイリュームを振るかうちわを振るか、主に拍手を主体とするかなどについては、主催者からの規制等がなければコンサート参加者の自由にすべきことだと思う。
しかし、歌唱力のあるハロプロメンバのコンサートにおいて、サビやAメロの部分をコールで聞こえなくすることは、歌を聴きたいと思うファンにとって困ることだし、何より出演者本人の歌手としての成長に悪影響を及ぼすのではないだろうか。

文化や風習は何が正しいかを示すことは困難である。だからこそ、ハロプロのヲタの人たちには時々でいいからハロプロ以外のライブやコンサートを見て、そして何かを考えていただければと思う。

豪華なステージ

上述のフラッグや花火だけでなく、曲に合わせて炎が出る特効もあった。そのすぐ上をカメラのクレーンが通るもんだからカメラが燃えないか心配したくらい。
水樹の他には生バンドや6人ものバックダンサー、そしてオーケストラも出演。バックバンドと水樹、またバックダンサーと水樹を合わせると「7」人になるのは演出と考えられるが(オーケストラは人数不明)、そんな洒落のきいた贅沢をしてしまうのは賞賛に値する。
そして彼女本人のピアノ演奏もあり、しかもそのピアノごとクレーンでステージ高く持ち上がったりと、見た目にも重厚で豪華なステージとなっていた。
・・・不粋だが、採算は取れてるんだろうか?

黒が似合うのはいい女の証

黒を基調とした衣装で現れたのを見て「彼女は黒系が似合うなあ」と思う。

ラッキー「7」

曲がひと段落したところで、彼女の誕生日をお祝いするコーナーに。ここで彼女へのサプライズ。
まず「ハッピーバースデー」をファンが歌うのは当然として、次に彼女が大ファンという阪神タイガースの矢野選手からのビデオコメント。
彼女がそれに見とれている間、場内では入場時に配られたジェット風船をみんなで膨らます。風船に空気を入れる「ピーピー」の音が漏れていたのはご愛嬌(w
で、彼女が振り返ると、武道館全体が甲子園の「7」回裏みたいな状況。それを「仕掛け人」であるバンドメンバのリュウたん(B)の合図で一斉に飛ばす。
惜しむらくは、そのときのBGMがラッキー7のときにかかるチャンステーマじゃなかったことか。それでも彼女は感激して涙をうるませてくれた。
・・・それにしても、武道館で風船ってやってよかったんだぁ。天井や日の丸に引っかかったりするからダメだと思ったが。

後の掃除は大変だったかも

その後の曲では金銀のテープの特効。しかもそのテープにはコンサートタイトルが入っていた。細かいところまでよく作りこんでいるというか、演出が効いているように思う。
当然記念に持ち帰る。さすがに誰がふくらましたか分からんジェット風船は持ち帰りたくないし(w

ダブルアンコールで大満足

計22曲で公演時間は2時間45分程度。
しかもこちら側のサブステージに来れば彼女の視線をもらいまくりだし、彼女の姿もはっきり見えたし言うこと無し。

さらに公演終了後、オーロラビジョンに彼女からの手書きメッセージが映し出されるなど、本当にファンのことを考えた充実した公演だった。
あえて残念な点を挙げるとすれば、私が一番好きな「suddenly〜巡り合えて〜」を歌わなかったくらいか。それ以外は申し分ない。あ、あと盛り上がりすぎてヘトヘトになったくらい(←それはおまえのせい

企画・制作会社が同じなのにこの違い

企画・制作:シグマ・セブン/アップフロントプランニング

情報ソース:チケット

今回のライブの企画・制作は上記の2社であるが、「シグマ・セブン」は彼女の所属事務所である。

(略)
(株)シグマ・セブンは皆様に、夢と希望を提供できる事を誇りとし、
常に時代のニーズに合わせた
タレントマネージメントを行っています。

情報ソース:株式会社シグマ・セブン
・トップページ
http://www.sigma7.co.jp/
・会社概要(業務内容)
http://www.sigma7.co.jp/company/index.html

(上記文章中、機種依存文字を修正しました)

同社の公式サイトの「業務内容」には企画・制作の文言はないので、おそらく彼女や事務所の要望や構想をアップフロントプランニング(UFP)側に伝え、それをUFPが形にしていったと考えられる。

つまり、彼女(とその事務所)からの高い要求に見事に応え、ライブに参加した多くのファンを満足させるような公演を制作する能力をUFPは持っているのである。

翻って、同じUFPが制作しているハロプロ系のコンサートはどうだろうか?
最近は演出も凝ったものが多くなっているが、相変わらずの「100分コン」や、ファンの意向にそぐわない選曲や構成、台本に書いてあるだけのMCなど、あまりにその出来が違いすぎやしないか?

いや、UFPを責めるのは筋違いかもしれない。UFPがタレントの所属事務所などから出される「企画」を実現するのが仕事ならば、真の原因はその「企画」を考える側といえよう。

タレントを育てるということ

水樹とハロプロのライブ・コンサートは、開催回数や公演内容においてあまりに対照的である。
水樹は声優界においては絶大な人気を誇っている。ところが、声優ゆえに声を大事にする必要もあるので、ライブは年に10日前後(公演数は不明)であり、回数が少ない分大きな会場を使っていることが多い。
会場が大きくなれば、その分歌やダンスなどの技術レベルも高いものが求められるし、それゆえに高い緊張感をもってライブに臨んでいることだろう。

一方、ハロプロは場数については十二分に用意されているが、体力を消耗するし、それゆえにややもすると緊張感に欠ける場合がある。また、ファンとの一体感を考えて小さな会場にすることも悪くはないが、その分大きな舞台を踏むという機会は減ってしまうだろう。

どちらにもそれなりに利点はあると考えるが、私としては「タレントを育てる」ということを念頭に置いたライブ・コンサートの編成を考えていただきたい気持ちである。