「渡良瀬橋」は戦争映画のエンディングに合いそう

あややの「渡良瀬橋」を聞いていてふと思ったが、これは映画のエンディングに合いそうだなぁと。
もちろん、曲のコンセプト通り、遠距離恋愛をテーマにしたものでも合うだろうが、それより私は戦争映画に合いそうだなぁと思った。
実際の戦争をモチーフにするとストーリーとして重過ぎるし、時代背景の設定などが面倒なので、架空の戦争が舞台。

映画のストーリーを作ってみた

川の流れる地方都市(イメージはもちろん足利市)に生まれ育った主人公(女)と、主人公が通っていた東京の大学で知り合った彼(男)。とても仲良しだが、互いに恋愛感情は持っていなかったし、異性として意識したこともなかった。
彼は悪い友人に誘われて過激派に加わるようになるが、既に大学を卒業し親元に戻っていた彼女はそのことを知る由もない。

ある事件をきっかけとして、彼は反政府軍のリーダーとして国内各地でゲリラ攻撃を開始。軍の兵士だけでなく多数の民間人が犠牲になった。

正義感が人一倍強かった彼女は、ゲリラから都市や市民を護るべく政府軍の兵士に志願する。まさか敵のリーダーが幼なじみとは知らずに。

激しい戦いの末、政府軍は大半のゲリラを鎮圧したが、その残党や支援者らが彼女の故郷である地方都市に逃げ込んでいた。政府軍はその都市を包囲する。そして、都市を奪い返すための突入作戦の司令官には、多大な戦果を挙げて師団長にまで昇格した彼女が任命される。

その頃には、彼女の耳に「反政府軍のリーダーが彼ではないか」という情報は入っていたが、彼女は全くと言っていいほど信じていなかった。
しかし、反政府軍との激しい戦いの中でぼんやりと見たその男の姿は、彼のそれにあまりに似ていたので、もしかすると情報は真実なのではないだろうかと考えるようになる。

戦線が膠着する中、ついに政府は総攻撃を行なうことを決定する。その内容は、端的に言ってしまえばその都市を廃墟にするのと同じようなことであった。
彼女はもちろん反対したが、1師団長の意見など政治家の耳に届くことすらなかった。

(このへんのBGMに「渡良瀬橋」)
爆撃機が数十機もの編隊で爆弾の雨を降らせ、包囲した部隊の自走砲は次々に火を噴き、建物は崩れていく。その瓦礫の上を戦車のキャタピラが音を立てながら通り過ぎる。
その映像を師団司令部の師団長室のTVで見ていた主人公。眉間に皺を寄せながら涙をこらえる。

程なくして組織的な戦闘は止み、政府軍も徐々に駐留部隊を各基地に帰還する。彼女の部隊だけが治安維持のために残ることになった。

そんな中、指揮通信車で現地を視察していた主人公はある遺体を見つける。それは紛れもなく反政府軍のリーダー、いや、彼女にとっては仲良しだった彼であった。
彼女は彼の元に駆け寄り、遺体をゆすったり顔を叩いたりしたが、既に事切れていることに気付くと人目をはばからず大泣きする。部下や護衛らは何故彼女が泣いているのかをその姿を見て悟り、さっと彼女を囲んで周りから見えないようにする。

ひとしきり泣いた後、彼女はいつもの表情で、反政府軍のリーダーの死体を発見したことを本部に連絡するよう部下に指示を出したかと思うと、すぐに指揮通信車に乗り込む。

師団司令部に戻る途中、主人公は車窓から外を眺めていたが、視線の先に渡良瀬橋を見つける。市内の中心部にあるその橋は攻撃を免れ、昔と変わらない姿を保っていた。他の橋が双方の攻撃で破壊されてしまったからだろう、車が頻繁に行き来していた。
彼女は唇をかみしめながら黙っていたが、何故か車は予定のルートを外れ、通る予定のないその橋を通ろうとする。
運転手には「安全上の理由であの橋を渡ってはならない」と言っていたはずなのに、と彼女が問いただそうとすると、運転手は「師団長殿はよくあの橋の話をされていました。きっと思い出がおありなのかと思いまして・・・」と。
「この私に逆らうとは、後で軍法会議にかけてやるから」と言いながら笑顔で運転手を軽く小突く彼女。

避難先から都市へ戻ろうとする市民たちの車に加え、既に戻った市民の帰宅と重なり、橋の上は混雑しており、警備車両が先導している彼女の車でさえ渡るのに15分近くかかった。しかし、彼女が橋の上からの夕日を眺め、若き日の彼との思い出にふけるにはむしろ足りないくらいであった。

時が経ち、年老いた彼女は八雲神社に来ていた。あの戦争以来、何もかもが嫌になってしまい、軍を退役して地元に戻っていたのだ。
彼との想い出にふけりながらの帰り道、彼女を呼び止める声がした。振り返ると彼がそこに立っていた。いや、彼より少し細面だろうか・・・と思っていると、その人は「○○○○(主人公名)さんですか?私は△△△△(大学で知り合った彼)の息子の▲▲です」といった。
何でも、彼はゲリラ戦争を始める直前、自らの死期を悟ったのか、ある女性と結婚し子供を残していたのだという。
彼の死後、母親はひどく悲しんだが、それでも政府軍の中心となって戦った主人公のことは絶対に悪く言わなかったという。それは、彼が生前残していた手紙の中にこう書いてあったからだ。
「私は正義のために政府と戦うが、○○(主人公名)に殺されるなら本望である。それは彼女もまた正義のために命をかけて戦っているからだ」と。
彼女は涙をおさえることができなかった。

とはいえ

本当に↑のストーリーの映画で使ったら森高とあややに激しく怒られるだろうなぁ(w

発想の原点はSimCity4

とりあえずSimCity4で「公害産業」の取り壊しのBGMにしてたり。
というか、SimCity4には自分の持っているmp3ファイルをBGMにする機能があって、それでBGMとして渡良瀬橋を聞いていて上記が思い浮かんだのだ。
実際、この曲と取り壊しの効果音が合うんだよなぁ。