教育問題

校長の言ってることは間違いではない、けど

岐阜県でまた中学生の自殺があって、そこの校長が学校内でのいじめと自殺の因果関係を否定するような発言をしていた。

確かに、責任者として負わなければならない責任を免れようとしているようにも見えるし、その点については非難されるのは当然だと思うのだが、実際のところ、この中学生の自殺が学校内でのいじめのみに起因するかどうか、今の段階では分からない。
遺書にそのことが書いてあるのでまったく無関係とも言えないが、それが原因の100%だったかどうかはもっと調べないと判断できないだろう。
そのことを校長は言っているように思うのだが、何故そのことまで否定して校長のせいにしようとするのだろうか?

教育基本法改正と無理やり結びつけて批判する報ステ

報道ステーションを見ていたら、生徒の自殺の件や履修不足問題を教育基本法改正問題と絡めて報道していた。

これこそまさに「詭弁のガイドライン」の「6.一見、関係がありそうで関係のない話を始める」というやつだなぁと見ていて感心してしまった。

たとえ関係があるにしても「自殺者が続出したり履修不足が発生したりするのは、今の教育に問題があるからであって、教育基本法を改正することでそれを是正しようとしている」とも考えられるわけで、法改正自体への批判は的外れと言う他ない。

「国旗国歌への指導」とか「教員資格の更新制」などについても批判していたが、ごく一部のどうしようもないダメ教員を排除するための仕組みを「教育にも競争原理を導入するのか」などと言って反対していたりと、もううんざりするばかり。

(2006.11.6修正:国旗国家→国旗国歌)

文科省役人の「ビッグブラザー」がお好み?

それと「文部科学省の役人が何故把握してなかったんだ」という批判も見かけるが、当たり前だろうと思う。
彼らは各学校や教育委員会から上がってきた書類を見る以外に学校の実情を知る手段はないし、その書類が嘘だったらさすがに役人も気付かないだろうと。

それとも「役人は現場を知らないといけない」ということで、抜き打ちで全国各地の学校を視察でもさせるのだろうか?そんなことをする暇も彼らにはないだろうし、実施したとしてもコストばかりかかって効果はあまり挙がらないだろう。
それこそ、役人が来ることを事前に察知した学校側が事前に準備していたら、それを見抜くことはまず不可能だろうし。

さらに言えば、もし仮にそんなことをすると文科省が発表したら「教育現場を監視するつもりか」と猛反発することは予想に難くない。そんな「ビッグブラザー」を何より嫌うのが教育関係者だと思うんだけど、ねぇ。

もともとはジョージ・オーウェルの小説「1984」に登場する支配者の名前。そこから転じて「国、世界レベルでの大規模な監視を行う人物、機関」を指すようになる。


参考:はてなキーワードビッグブラザー
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A5%C3%A5%B0%A5%D6%A5%E9%A5%B6%A1%BC