田中議員長女の記事で雑誌の販売を差し止めへ

<週刊文春>田中元外相の長女記事で販売差し止め命令 東京地裁 (毎日新聞)



 元外相の田中真紀子衆院議員の長女が「掲載予定の記事はプライバシー侵害」として、17日に発売される週刊文春の出版禁止を求めた仮処分の申し立てについて、東京地裁(鬼澤友直裁判官)は16日、発行元の文芸春秋(東京都千代田区)に販売差し止めを命じる決定を出した。プライバシー侵害を理由に、小説や単行本などの出版差し止めを命じる判決や仮処分決定は相次いでいるが、週刊誌に対しては極めて異例。これに対し、文芸春秋側は地裁に異議を申し立てる方針。出版されれば、長女側は損害賠償を請求するとみられる。



 長女の代理人の森田貴英弁護士によると、仮処分を申し立てたのは、週刊文春3月25日号。関係者によると、記事は3ページにわたって、長女の私生活について記載しているという。記事について決定は「切除または抹消しなければ、これを販売したり無償配布したり、第三者に引き渡してはならない」としてた。長女側は「公人の政治家の家族でもプライバシー権がある」と主張している。



 文芸春秋によると、今週号約77万部のうち、約70万部は既に取次店に販売しており、7万部の出荷を止めたという。また17日に東京地裁に対し、異議の申し立てをする。



 雑誌をめぐっては、最高裁大法廷が86年6月、販売予定の月刊誌「北方ジャーナル」の記事について名誉棄損の成立を認め、販売禁止を命じた仮処分決定を支持した。また、小説では最高裁が02年9月、芥川賞作家の柳美里さんのデビュー小説「石に泳ぐ魚」のモデルになった女性の主張を認め、「出版されれば、重大で回復困難な損害を被る恐れがある」と判断し、柳さんと発行元の新潮社などに出版差し止めなどを命じた2審判決が確定した。このほか、サッカーの中田英寿選手が「勝手に半生記を出版された」として出版社と争った訴訟でも、東京地裁が00年、発行差し止めと385万円の支払いを命じており、芸能人に関連した出版物に対しても、同様の仮処分決定や判決が出されている。【小林直】



 ▽文芸春秋の浦谷隆平・社長室長の話 人権には十分な配慮をしたが、訴えには誠意をもって話し合いを続けたい。しかし、言論の制約を意味する今回の仮処分決定は、わずか一人の裁判官が短時間のうちに行ったもので、暴挙という他なく、とうてい承服できない。



毎日新聞3月17日] ( 2004-03-17-01:50 )

(以上、infoseek newsより)

これはかなり難しい問題ですね。「表現の自由」と「プライバシー」という、多分永久に議論され続けるであろう問題もさることながら、訴えたのが国会議員の家族ということです。

私の意見として、国会議員の配偶者は公的な性格が強いと思いますが、その子供は関係ないと考えます。それに、新聞に載った文春の広告で内容を見た(ほとんどの新聞の広告には、内容が分かるタイトルがそのまま載っています)限り、公共性がある話題とも思えません。

でも、だからといって雑誌全体の販売を差し止めるというのはいかがなものかと。その内容が偽りであるとは議員の長女側は言っていないことから事実を書いているわけで、そのことについては問題ないわけで。

それに、議員の娘ですからね。議員が裁判所なり雑誌社に圧力をかけたとか疑われても仕方がないわけです。

これを自身の問題として考えたとすると、