ロシア北オセチア共和国の学校で立てこもり、300人以上が犠牲に

映像を見ているといたたまれない気持ちになる。
この事件の背景となっているのはチェチェン共和国の独立問題。モスクワの劇場や地下鉄などでの事件もこれが関係しているといわれる。
正直、この独立問題についてよく知らない。数年前だったか、ロシア軍がチェチェン共和国の首都を攻略しようとしていたものの、命令系統の乱れからロシア軍同士で相撃ちなどをして犠牲者が増えている、というニュースを聞いたことがある程度。
国の問題はよく家にたとえることが多い。ロシアはさしずめ子供(=連邦内の各共和国)の多い大家族というべきか。で、その家で、チェチェンという子供が、ロシア(=親)や他の子供の部屋と自分の部屋を分離させ、ロシアに干渉や収奪されない独立した生活にしようと考えた。幸いチェチェンの部屋の前に置いてある自動販売機(=石油や天然ガスなどの地下資源を比喩。我ながらかなり無理がある例えではあるが)の収入などで生活できそうだし。
と思ったが、親であるロシアは「わがまま言うんじゃない!」と、一人暮らしに猛反発し、チェチェンと殴り合いのケンカをした。親はそれでも街(=世界)でも1・2を争うほどケンカは強かったので、すぐにチェチェンがぐうの音も出ないくらいに打ちのめして、今ではチェチェンは頭では「ロシアという家の中でいっしょに暮らしたほうが楽かも」と思うようにもなっていく(=チェチェンで大統領選が近く実施される予定であるが、ロシア寄りの候補が優勢と言われている)。
しかし、ここで厄介なことに、この様子を見ていた近所のゴロツキ(=アルカイダ系テロ組織やそのメンバ)がチェチェンをけしかけたり、ゴロツキ自身が家に侵入して独立運動を名目にして家財道具などを壊す(=上述の各テロ行為)ようになった。ロシアはチェチェン本体こそおとなしくさせたが、今度はそのゴロツキとの戦いを強いられることになった・・・。

自分が報道等で聞いたのを総合するとこんな感じ。チェチェンの独立が正義なのか、そうでないのかとは別の次元で、ここ最近のテロ事件は行われているらしい。直接ロシア軍や政府関係の施設ではなく、何の罪もない子供たちにテロを行なうという非道さは到底許し難い。

報道ステーション朝日新聞は、ロシアが武力でチェチェンを押さえ込んだことがこの事件の引き金になったという見方をしている。上述の例えで言うところのゴロツキにも一分の理があるってことか。
国家がその秩序を維持するために、独立しようとする勢力を押さえようとするのって当たり前の気がする。基盤の弱い国がたくさんできても、世界情勢の不安定化の要因ともなるし。