ライブドア、ニッポン放送株を40%近く買収 フジテレビ側もTOB続行で25%到達か

「事実は小説より奇なり」とはいうが、この騒動はそんじょそこらの経済小説より見てて面白い。
確かにライブドアは買収によって大きくなった会社だし、「ライブドア」自体も堀江氏が「オン・ザ・エッヂ」社長のときに買収した会社。とはいえ、東証二部上場のラジオ局であり、フジサンケイグループの中核企業でもある(2005年1月19日のぶろぐ参照)ニッポン放送を買うなんて予想だにしなかったし。
それにしても、私が前々から「ニッポン放送の大株主になって『松浦亜弥Let's Do it!!』の収録の観覧でもできたらいいなぁ」という計画を私より先に、しかも大規模な形で実現するなんてうらやましい(謎

冗談はさておき、ここしばらくの報道を見ていて思うのは、堀江氏個人の性格や能力以外の資質などを元にした批判が多すぎると思う。
今回の買収の問題は

東証2部上場するほどの規模の会社が、数日のうちに1社によって株を買い占められてしまうということ。
・立会時間外に株が大量に売り買いされ、それにより既存株主が損失を被る可能性があるということ。
・株の買占めの対象会社の業種が放送業であり、経営者や株主構成が突然大きく変わることが国家にとっても看過できないくらい影響が大きいこと。
・しかも株の買占め対象の会社が買収されると、東証1部上場の会社、しかも放送業であり影響力が極めて大きいところや、傘下の新聞社まで支配が及び、影響範囲も大きいこと。
・株買占めのために発行したライブドアのCB(転換社債)を外資であるリーマン・ブラザーズファンドが所有しており、放送業への外資規制の観点からして問題があること。また現在の法律では直接保有(全体の20%まで)しか規制されておらず、有効な対策が今の時点では取れないこと。

ということであって、買ったのが堀江氏やライブドアだからというのはあまりに根拠がない。
彼の行動は少なくとも法律には違反していない。抜け道をついたというのであれば、その抜け道にパッチを当てればいいし、逆に当てなければならないだろうし。
「道義的に問題がある」という批判はあるが、法律違反との間には越えられない一線がある。警官に「法律には違反していないが逮捕する!」と言われたら困るのと同じ。