ガッタスの「巨人化」が気になる

強すぎるガッタス

前回に引き続いての2連覇を果たしたGatas Brilhantes H.P.ガッタス)。その偉業は称えたいが、同時に懸念を感じる。
それは、ガッタスの「巨人化」である。
巨人化といっても身長の話ではない。プロ野球の巨人のようになることである。

今年こそ低迷しているが、かつて巨人は強かったし人気があった。今のガッタスも他チームより先にフットサルを始めていて経験はあるし、コレティなど高い技術を持った選手も多い。何より、各大会の客席を見れば分かるとおり、ガッタスの応援団は他のチームのそれを圧倒している。
どちらもガッタスハロプロのこれまでの功績によるものであり、このこと自体は否定するわけではない。女性アイドルフットサルの開拓者として、他のチームを圧倒する強さや人気という「収穫」を得る権利はあるといえるからだ。
ただ、あまりにチームが強すぎ人気がありすぎると、リーグ自体のおもしろさが失われる危険性もあると考える。

結果ではなくドラマを見たい

スポーツ観戦のおもしろさはその結果だけではない。宿敵に勝ったとか、長い苦労が報われたとか、いわゆる「ドラマ性」もその重要な要素だと考える。これまでガッタスが人気を集めたのは、元々人気アイドルであったことに加えて、本格的にフットサルに取り組むチームと試合を行なっての大敗という「挫折」や、初めて得点したとか、いいプレーができたなどの「成長」などの出来事を経て、ファンはそれぞれ応援するチームに愛着を感じるのだろう。

もちろん、ガッタスがわざと負けるとか手を抜くといったようなことは、するべきではないししてはならない。それよりもむしろ、「このチームを倒そう」という、いい意味での目標、あるいは「悪役」になって欲しい。

また、最強集団だからこそ、大会や女子フットサルの裾野を広げるような活動を進めるべきである。以前、ガッタスによる「フットサル教室」が開催されたが、1回といわず定期的に続けていって欲しい