最近のオールナイトニッポン:変化もよいが定番化も必要だ

リスナー参加型「おべどこ」コーナースタート

「おべんとつけてどこ行くの?」というコーナーをご存知だろうか。これは、かつての「伊集院光Oh!デカナイト」(ニッポン放送、1995年5月まで放送)の人気コーナーで、憧れの異性の有名人をモチーフに、その相手としてみたい会話や行動をストーリー形式で募集する。
通常はそのストーリーを伊集院氏が紹介するのだが、モデルとなった有名人がゲストで来たときは、ラジオドラマの形で本人にセリフをしゃべってもらったり、ストーリーに関するトークをしたりする、というものである。

まだ「萌え」という言葉すら現在の意味では使われなかった時代にその概念に近づこうとしていた点で、「おべどこ」コーナーはかなり時代を先取りしていたといえるが、今回のリスナー参加型の「ショートストーリー」は、それをさらに進めて、リスナーがアイドル本人と共演することによって、その希望を実現させるのはかなり画期的である。
「Let's Do it!!」の時代から続く名物コーナーである「松ペン先生のドッキドキ!LOVEメール添削」だが、このコーナーのいわば「前振り」であるショートストーリーがこのような形で展開するのは、リスナーである私にとってもよい驚きであり、期待したい。

あやや。をプロデュース」で再びアイドルに目覚めるか

もう1つの新コーナーは、因縁の時間帯である土曜21時台に日本テレビで放送中のドラマを思わせるタイトルだが、これはハプニングがあったときにアイドルらしく振舞うための方法を募集するというもの。

極端なネタも多いとはいえ、かつて彼女は「アイドルサイボーグ」と呼ばれ、若くしてその完璧なアイドル性が話題となったが、その彼女がこのコーナーで何を感じ取るのかが興味深い。
私は「あややは歌手である前にアイドルであるべきだ」ということを以前から主張してきたが、このコーナーを通じて、彼女が自らアイドルであることを再認識することを期待している。

コーナーを「定番化」すべき

開始から半年を過ぎ、あややもすっかり生放送が板についてきた。トークも活発であり、コーナーのネタ紹介も安定してきている。スタッフらにいじられたりと「深夜番組らしさ」も出てきた。
しかし、そんな本人とはうらはらに番組の軸となるコーナーがいまだに固定しない。「常に新しいものを取り入れている」といえば聞こえはいいが、いまいち盛り上がりに欠けるのが真実のようだ。

投稿の面白さを拾いきれず「ネタ殺し」と揶揄されるあややにも原因はある。スタッフのフォローにも限界はあるだろうし、忙しさのためか紹介するハガキやメールに事前に目を通していないのでは、と感じることもある。
だが、それ以上にコーナーを乱立したことで、あややがその趣旨を理解しないままネタを紹介する、ということが多発している。また「B!」コーナーのように、紹介したネタの内容が行き過ぎるようになってた、そのコーナーが終了するということもあった。この場合などはスタッフの責任といえるだろう。

投稿はレベルの高いものが集まっているのだから、あとはスタッフがそれをいかに"調理"してあややに渡していけるか、そしてあややがその面白さをいかに表現できるかだろう。そのためには、あややスキルアップするまでは、多少評判が悪くとも我慢してコーナーを続けてみるべきだと考えている。