加護の復帰断念は残念だが致し方ない

今回の復帰断念の決定は、彼女の復帰を願っていた私にとっては非常に残念なものであった。
しかしその一方で、今回の事務所の決定については、その迅速さを評価するとともに一定の理解と支持をしたい。

謹慎処分に問題はなかったか再点検が必要

騒動の引き金となった彼女の喫煙に対し、事務所は1年間の実家での謹慎とした。

確かに未成年者の喫煙を容認するわけにもいかないし、タレントだけに世間への影響力が大きいことを考えると、処分を軽くするわけにはいかないということは理解できる。
しかし、別の問題を起こした同事務所の成人タレントの処分が2ヶ月だったこと、またアイドルにとっては若さこそが最大の商品価値であり、その機会損失の大きさなどを考慮すると、あまりにその処分は重すぎないだろうか。

しかもその成人タレントの場合、処分内容は謹慎期間を開始するときには決まっていたので、タレントとしてもある程度先を見据えることができただろうが、加護の場合は無期限であったため、本人が将来に不安を感じたことは容易に予測できる。
そして、その不安が再度の喫煙やスキャンダルを誘発してしまった可能性は否定できない。

期間の長さについては、同様の問題を起こした他事務所のタレントと合わせるなど、各種の都合があり短縮するのは容易ではないだろうが、タレントの将来性のために事務所側が決断することは決して悪いことではないだろう。

また、謹慎が問題を起こしたタレントへの罰則であることは言うまでもないが、それと同時に復帰に向けた準備期間という一面があることも忘れてはならない。
事務所がお茶くみなどをさせていたのもその一環だろうが、矯正という観点を含めたメンタルケアを行う必要があると考える。

スキャンダルからハロプロブランドを護るために泣いて馬謖を斬った

日頃、その運営に批判が多いハロー!プロジェクトだが、モーニング娘。をはじめとした人気タレントが多く集まり、高い認知度や人気を集めている。
このことから言っても「ハロプロ」のブランド力は高いといえる。

それだけにスキャンダルに対しては厳しい対応をしてきたし、その対応があったからこそ高いブランド力を維持できたという一面もあるだろう。
育成のコストや将来の機会利益を失ってでも重い処分を行うことは、リスク管理としても評価すべきだろう。

今回は喫煙に加えてスキャンダルも発覚しており、これが契約解除という最も重い処分につながったと考えられる。

他のタレントへの無言の圧力

今回の喫煙、そしてスキャンダルに対する処分は、加護のみならずハロプロに所属するすべてのタレントに対する無言の圧力になっただろうし、ある意味でその効果を期待していると考えられる。
私としても、今回の教訓を他のハロプロ全メンバが理解し、今後の活動に活かすことを願っている。

加護には新たな道を模索してほしい

この件でハロプロアーティストとしての道は断たれてしまったが、まだ19歳と十分若い。
彼女には他の形での芸能界復帰を含め、新たな道を模索してほしいと思う。

そして、こんな事を言うのも少し変だが、どうかハロプロを嫌いにならないでもらいたい。
今の彼女の精神状態は察するに余りあるが、最高の相棒だった辻希美をはじめとするメンバ、そして自分の復帰のために動いてくれたスタッフらのことを思い出して欲しいのである。